観光情報

中禅寺
中禅寺
中禅寺

 関東・中部地方の中で最古の木造建築である中禅寺薬師堂は平泉の金色堂と同じ阿弥陀堂様式です。自然石の土台の上に立っていますが、茅葺屋根の先端にある宝珠が特徴です。薬師堂は本尊の薬師如来坐像、木造神将立像とともに国の重要文化財に指定されています。中禅寺の創建は空海上人ですが、寺の裏山の独鈷山には、旅に出た空海がこの山と地を気に入り、谷が100あったら総本山を作ろうと数えたところ、99しかなく、残念ながら高野山に本山を作ったという言い伝えが残されています。さて、こちらの薬師堂の前にあり、本尊をお守りしている、仁王堂にある金剛力士像ですが、近年の作でそれほど歴史的・文化的な価値はないものとして扱われていました。私が中学の頃、こちら

中禅寺
金剛力士像

に出かけ主に調べたのは、薬師堂と薬師如来坐像でした。仁王像はあるなという記憶でしかありませんでした。それほど当時は重要だとは思われていなかったこの金剛力士像。ところが、近年の調査で、実は大変古いものだということが判明し、平安時代後期、平清盛の発願で作られたものだったそうです。全国でも5番目に古い金剛力士像(仁王像)で、薬師堂や薬師如来よりも古いものでした。朱で彩られた体や黒の法輪、足飾りなど近くで見ると迫力があります。実は大変貴重な像と判った今も、以前と同じように門の下で薬師如来を守っています。中禅寺は素朴で趣のある落ち着いた寺院です。